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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

サラリーマンはラクすぎてもう長持ちしない (6月1日月曜日、雨)

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コンタクトレンズを久しぶりにはめて、カタチだけオフィスへと向かいながら、サラリーマンという壊れかけの虚構は、あとどれくらいもつのかなと思うと、少しだけおセンチな気持ちになりました。オフィスへの道順を忘れていたらどうしようと不安でしたが、時差通勤で重役出勤しても、誰にもなんにも言われません。ああこれがこれからの日常なのかと、ようやく腹に落ちました。これ、超ラクじゃん。こんなにラクだと、ラクすぎて、サラリーマンのシステムは長くはもちません。

もともとA4サイズだったものが、バブル期にはポスターのようなA全サイズまで拡大コピーされ、1990年代以降は逆にどんどん縮小コピーをかけてきて、何回も縮小コピーを繰り返し、やがて画像も劣化して、いま手元にある紙のサイズは、もう手のひらサイズくらいになってしまいました。サラリーマンとは、まさに縮小した劣化コピーです。

投資の警句で、もうはまだなり、まだはもうなり、などといいますが、さあ、いよいよ6月、V字回復目指してみんなで一致団結して、経済再開などというスタンスなどはまさしく、もうはまだなりの典型なのではないかと、思います。もういまが底だと浮かれているときこそ、まだ下値があるのではないかと、一応考えてみるべきです。

私の仕事も、たとえコロナは夏へ向かって収束しても、お得意様が元通りにビジネスできる雰囲気では、まるでありませんので、まだまだ下値があるだろうなと、覚悟しています。マーケティングとは要するに投資なので、マーケットが縮小する過程では、投資活動はだいたいストップします。さらに誤解を恐れずに言えば、マーケティングとは、要らないものをあたかも必要なものと誤解させて売りつける側面があるので、コロナで要らなくなったものだらけの現在、いきがって無理やり買わせるのも、至難の業です。ホットケーキのもととか、電動アシスト自転車がバカ売れとか、コロナですでに顕在化しているニーズに、わざわざマーケティング投資をする必要もないので、マーケティングなどという下手な鉄砲、打たなきゃ減らぬ、になりがちです。

とはいいながら、まだまだ下がるだろうと思い込んでいると、実はもう、上げはじめていて、気づいたらチャンスを失うことも多いのですが、何かこれから自分で動くのであれば、サラリーマンとしてではなく、副業や独立でやったほうが、全然はやいと思いますので、遅かれ、はやかれ、サラリーマンをやめる日も、来るだろうなあなどとは考えています。歌人の穂村弘が、勤めをやめたかった頃、1日1万歩あるいたら、ポケットに5千円入っていればいいな、と考えていたと、なにかで言ってましたが、その気持ちわかります。

まあ、リセッションがつづく間は、半値八掛け二割引で、あらゆる価値が値切られていきますので、自分なりに、まだはもうなり、と思えるまでは、じっと息を詰めて、指名手配犯のように逃げて生きていこうと思っています。

それにしても、久しぶりにオフィスに行くと、朱子学カルトのお家芸だった同調圧力を、ほとんど感じることができず、蚊の湧いた生ぬるいビールのようで、拍子抜けします。芝居でもいいから、もっとバキバキに同調してくれよ、と思わず祈ります。圧力維持の原動力だった共同幻想そのものが、かなり壊れています。会社組織というものこそが、社会の中心であり、なくてはならないものだという、かたい思い込みが、グラついているのです。

世界の中心だと信じ込んでないと、ポジション取りの椅子取りゲームにも、そりゃ熱がはいりません。経済という現代の総力戦の、我が社は最前線にいる特命部隊なのである! と勘違いしてないと、あと何年も、面倒でねちっこい、ポジション取りの椅子取りゲームなんぞ、アホらしくてやってられなくなります。ポジションに価値がないとなれば、ポジションを貨幣のようにありがたがる気持ちも、当然のことながら萎みます。

そうなると、同調しても仕方ないので、謀反しようとする人も出てきます。朝日新聞社のように、第二組合のようなものをつくったり、若手からの突き上げが激しくなったりする会社も、一部にありますが、私のようなアウトサイダーからすれば、謀反など、まず脱藩してから、ひとりでやったほうが、よほどはやいと考えてしまうので、謀反は会社をクビになるか、会社がなくなるまでは、寝て待ての状態です。

私は、どうせ当たらない目標なぞよりも、大まかな方向感覚を大切にしたいと思います。とりあえず方向を頼りに匍匐前進です。大切にしたい方向感覚は、3つあります。

一つ目は、密から疎へ、という方向感覚で、競争そのものをさけることです。競争とは、負け犬がするもの、というのはピーター・ティールの名言ですが、ブルーオーシャンで、ノーマークのダークホースになったほうが、リスクを下げてワンチャン狙いができると思います。大きなマーケットのニッチをみつけることができれば、他が気づくまで先行者が有利です。

私の好きな話はハーゲンダッツの成功で、アメリカ人のアイスクリームは、それまではおデブが、テレビでも観ながら、矢鱈とでかい容量を孤独に食べるものだったのですが、ハーゲンダッツは、恋人と食べるロマンティックな少量食べきりアイテムに、アイスクリームそのものの機能を変えてしまいました。ハーゲンダッツという名前自体が、アメリカ市場向けのデッチ上げで、ヨーロッパになんの実態も歴史もありません。アイデアだけで、アイスクリームというデカい市場の、過疎なストライクゾーンに、丸で新しい需要をつくりました。

二つ目は、マスからコアへという方向感覚です。たとえみんなに知られても、もはや大して売れないので、エクストリームなコアターゲットが、強烈に欲しがるものやサービスが大事、という原則です。あいまいな売れ線狙いは、すぐに見透かされます。ニトリが出した重い毛布は、まさしくエクストリームです。高級寝具は軽いというマスの思い込みの裏を行く重い寝具で、売れまくりです。適度な圧力が快眠につながる、とのことですが、マスの言うことを聞いていたら、こんな商品はつくれません。

三つ目は、自律分散という方向感覚です。トヨタの、いつかはクラウンとか、資生堂のクレ・ド・ポー ボーテとか、ヒエラルキー消費の真逆にある欲望です。いまどきステータスを見せつけたい人は、相手にしても儲かりませんし、仲間になっても、全然楽しくありません。新作が30分で完売するリメイクファッションブランド「途中でやめる」は、儲けよりも、客と作り手のつながりを最優先するネットワーク型ブランドです。中央集権的な商品、サービスは例外なくピンハネですから、そのうちなくなります。

簡単に言うと、遅いくせに横柄な資本主義が寄りつかないブルーオーシャンで、個人や仲間うちの幸せや、信頼を優先させる生き方に、世界はますます移り変わると思うので、これまでの当たり前なんて、片目つぶって見ておくくらいで、丁度よいのだろうと思います。

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